息(いき)る
84歳の母の体調管理のため毎日実家に通っている。
10日ほど前から母の息がすぐ上がるようになり少し気になっていたところ、一昨日は玄関を開けたらベタッと床に座り込んでおり何事か?と思いびっくりした。聞くと奥の部屋で片付けをしていたところ、インターホンが鳴り宅配の人が荷物を届けに来たのですぐに受け取ろうといつもより早く体を動かしたところ息が止まりそうになったとのこと。そして宅配の人も心配になってしばらく母の様子が落ち着くまで見ていてくれたらしい。
宅配の人が帰ってすぐ私が来たからよかったものの肝を冷やした。
すぐにかかりつけ医に予約を取り心電図、レントゲン、血液検査をしてもらった。
結果は心不全。血圧が非常に高く、肺にも水が溜まっていることがわかり、これではすぐに息が苦しくなっても当然と医師に言われた。そしていますぐ入院するか少し経過観察するかは任せますと言われたので母は経過観察を選んだ。
「生きる」ということは健康な時は意識もしないが、母の様子を見ていると「生きる」ということはまさに「息をする」=「いきをする」=「息る」=「生きる」ということに繋がっていることを痛感した。
空手は「体育」「武育」「気育」の3つの修行を目的としている。
中でも「気育」は気力、精神力を養い鍛錬するが、そのためには「呼吸」をどのように行うかというところに秘伝がある。
ますます高齢化が進む日本だが、私の道場は「呼吸」=「息る」=「生きる」を根底に据えて指導していきたい。