「生き様」!! 365の伝えたい話 第7話
昨年までイタリアに住んでいて
毎年夏に一時帰国しては双方の実家に居候していました。
5年くらい前までは帰省しても特に変わらない日常風景でしたが、
最近は毎年、毎年帰国する度に
親にも
それから親の日々の生活の過ごし方にも
少なからず変化を感じるようになってきました。
親が元気なうちに親孝行したい、、、、
それは子供なら誰しも考えることだと思います。
しかし、自分が50歳を過ぎる頃になると、
「親孝行したい」というステージから
「今、親孝行しておかないと・・」という
強迫観念に近い意識が心に常駐するようになりました。
幸い私は両親とも健在なので、
このような強迫観念を持てるということ自体がいかに幸せなことかという事を
ひしひしと日々感じて過ごしています。
親孝行といっても、それはひとそれぞれです。
旅行に連れていってあげる。
おいしい料理を食べてもらう。
マッサージをしてあげる等々、、、、
あまり深く考えずに、なんだって親が喜べばそれでいいと思います。
私は今、親から「親の生き様」を学ばして頂いています。
親の良いところだけではなく、悪いところも大切な教えです。
子供から親に与えるという形の親孝行もあれば、
親から「生き様」を学ばせて頂くという形の親孝行もあると私は思うのです。
現在私は本当に微力ですが、将来社会を支えていくであろう子達に
空手を通じて私なりの「生き方」を伝授しています。
つたない私の指導にも関わらず、
門下生が私の教えを胸に刻みながら
日々の生活に置き換えて頑張っている姿を見るのは本当に嬉しい事です。
これと同じように、
親の生き様をしっかり目に焼き付け
そこから学ばせて頂くということも親孝行の一つのあり方ではないでしょうか?
私の両親は共に自分自身を大切にしています。
これは決して「自己本位」とか「わがまま」という類いのものではありません。
自分を大切にするということは、
周りの人を安心させるばかりでなく、
少し落ち込んでる回りの人も元気にさせるという
非常にシンプルですが、
とても秀逸な生き方だと思います。
私の家系は先祖代々、すべて癌で命を落としています。
父も癌が発症しましたが、現在はほぼ完治しました。(癌に完治はないので)
母にいたっては、癌でステージ4からの奇跡的な回復を見せ
今はほぼ完治に至りました。
私とは生命力が違うなと感心します。
私は5年前に、胃がん検査で精密検査の必要ありという診断を受けたのですが、
診断が出たときはすでにミラノに戻っていたので
周りが早く審査を受けて!!とやいのやいの言う中、
これも運命と私は一切焦ることなく診断結果を受け入れようとしました。
しかし、時間が経ち冷静に考えたとき
こんな考え方自体「自己本位」で
親の生き様とは真逆の「大バカ発想」ということに気付きました。
幸い、4年前に胃がんの精密検査と大腸がんの検診をしましたが
両方とも問題無しとの検査結果が出てホッとしました。
自分を大切にするということは、
人を幸せにするということ
こんなこと当たり前のことを最近になってやっと理解しました。(遅すぎですが)
これからは子供(門下生)に自分の生き様をどう見せつけるか、、、
これが私の60歳からの新たな生き方の課題です。