空手家の生き様
私たち家族は2006年から2022年までの16年間ミラノに住んでいて、
毎年夏に日本に帰国しては実家でのんびりと過ごしていました。
いつ実家に帰っても毎年全く変わらないと感じていた親が
5年前くらいから帰国の度毎に両親の「老い」を感じるようになってきました。
親が元気なうちに親孝行したい、、、、
それは子供なら誰しも考えることではないでしょうか。
私は50歳を過ぎた頃から、
「親孝行したい」という漠然とした思いから
「今、親孝行しておかないと・・」という
強迫観念へと意識が変わりました。
幸い私は両親とも健在なので、
このような強迫観念を持てるということ自体がいかに幸せなことかという事を
ひしひしと日々感じています。
親孝行といっても、ひとそれぞれです。
旅行に連れていってあげる。
おいしい料理を食べてもらう。
マッサージをしてあげる等々、、、
なんだって親が喜べばそれでいいと思います。
私の親孝行といえば
親から「親の生き様」を学ばして頂いているということです。
子供から親に与えるという形の親孝行もあれば、
親から「生き様」を学ばせて頂くという形の親孝行もあると思います。
現在私は微力ながらこれから世の中で活躍するであろう子達に
空手を通じて「生き方」を伝授しています。
つたない私の指導にも関わらず、門下生が道場で教えたことを胸に刻みながら
活躍しているの見ること本当に嬉しいことです。
同じように、親の生き様をしっかり目に焼き付け
そこから学ばせて頂くということも親孝行の一つのあり方と思います。
私の両親は共に自分自身を大切にしています。
これは決して「自己本位」とか「わがまま」という類いのものではありません。
自分を大切にするということは、回りの人を安心させるばかりでなく、
少し落ち込んでる回りの人も元気にさせるという非常にシンプルですがとても秀逸な生き方です。
うちの家系は先祖代々、すべて癌で命を落としています。
父は癌を発症したが、現在は完治しました。
母にいたっては、癌でステージ4からの奇跡的な回復を見せ今は完治しました。
生命力が違うなと感心しています。
私は数年前に日本で胃がん検査受け精密検査の必要ありという診断が出ました。
しかし、診断が出たときはすでにミラノに戻っていたので
周りが早く審査を受けて!!と言う中、これも運命と私は一切焦ることなく受け入れました。
しかし、これこそ「自己本位」の「大バカ発想」であるというのを親の生き様を見て気付きました。
自分を大切にするということは、
人を幸せにするということ
さ~て、我が両親のように
子供(門下生)に自分の生き様をどうすれば堂々と見せつけられるか、日々精進あるのみです。
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